障害年金の永久認定
1 障害年金の永久認定について
障害年金は、原則65歳から受給開始となる老齢年金と同じ年金制度の1つです。
となれば、障害年金も一生涯もらえるものなのか、と考える方も多いかと思います。
障害年金には有期認定と永久認定があり、有期認定の場合は1年から5年の期間に限って年金の受給が認められるということになっていますが、永久認定の場合は、基本的に障害にわたって年金を受け取ることができます。
以下では、障害年金の永久認定についてご説明いたします。
2 大多数は有期認定となっている
結論から申し上げますと、等級が認定された障害年金の大多数は、有期認定として受給が認められるということになっています。
統計資料によると、約90%程度が有期認定となっているようです。
参考リンク:日本年金機構・障害年金業務統計
この有期認定では、受給が認められた一定期間経過後に「更新」の手続きを行う必要があります。
この更新の際に障害の状態をあらためて審査し、状況に大きな変化がないとされれば、引き続き同一等級の認定がされます。
一方、障害の状態が重くなっていれば上位の等級に認定され、改善していると判断されれば下位の等級に認定される、ないし支給停止となります。
永久認定というのは、更新手続きのない障害年金の認定ですが、統計を見ると、相対的には例外的なものといえそうです。
3 どのような場合に永久認定となるのか
では、どのような場合に永久認定となるかといえば、基本的には「事案による」ということになってこようかと思います。
もっとも、傾向として、改善見込みがないと思われる傷病については永久認定とされる傾向があるといえます。
例えば、手足の切断や人工関節の挿入置換については、永久認定となっている場合が多いかと思います。
今後の再生医療の発達等によっては運用も変わってくる可能性も否定はできませんが、現時点では、事故等で失われた腕や脚が再生することは想定できず、そうなると今後の改善は見込まれないということができます。
そうすると、更新の手続きを要するまでもなく、障害年金の受給が認められる永久認定となるといえます。
一方、精神疾患で永久認定となるケースはほとんどないと思われます。
精神疾患については、「障害認定基準」上も症状に波がある前提での説明がなされていますので、数年単位で悪化、改善の可能性がそもそも想定されています。